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『はやくはやくっていわないで』 心の声に耳を傾けてみる

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はやくはやくっていわないで

作:益田 ミリ 絵:平澤 一平

自由が丘と京都を中心に活動をされているミシマ社が出版した絵本です。

作は益田ミリさんです。(すーちゃんシリーズで有名?) 内容はタイトルが示すように、子供(人)にはそれぞれリズムやスピードがあり、出来る事と出来ない事もそれぞれ違います。だから、はやくはやくと急かさないで、それらを子供達の個性だと思って見守ってあげよう、という感じです。

子を持つ親が読めば、育児をする中で、自分の思うように動いてくれない子供を前にした時に「ほら、はやくはやく!」「はやくしなさい!」と、子供の意思や気分を無視して、ついつい急かしてしまう情景と、がっつりと重なってしまうと思います。

先日も、朝の保育園に送る際に、くつの踵を踏んで玄関から出てきた息子に怒ると「パパが、はやくはやくって言うからやろ」と突っ込まれました。

いつも子供には子供なりに、遅くなる理由があって、それを聞いて感じてあげる余裕を、日々育児で忙しい心のスペースのどこかに忘れないで作っておけるようにできればなと。

はやくはやくと言ってはいけないのか?

まあ、そうは言われても中々できるものではなくて、私もこれを読んだ次の日の朝には、早速「ほら、はやくはやく!」と言ってしまいました。

ただ、言った後で、ふと罪悪感のようなものが浮き上がって、「ああ、そうだ、次は聞いてあげよう」と思える時が、二回に一回、いやいや三、四回に一回ぐらいはあるようになった気がします。 ただ、「はやくはやく」という思いを吐き出してしまいたい衝動を、無理に抑え込んでしまうのもストレスをため込んでしまうので、これは感情的にならないうちに吐き出した方が良いかと。

これは大人向けの絵本です。そして、子供だけでなくて、職場や仲間内においても、当てはめてみる事もできると思います。「仕事が遅いけれども、何か理由があるのかもしれない」と思って、一度「最近、どう?」と話かけてみると、実は思いがけない理由があったりして、今後について前向きな話ができるようになるかもしれません。

忙しい日々、慌ただしい朝に、この本を思い出して、少しだけでも、耳を傾けてあげれるようにしたいものです。

”いえないきもちいっぱいある”

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