おこだでませんように
作:くすのき しげのり 絵:石井 聖岳
嫁が、ネットで購入した「おこだでませんように」という絵本が届いたのだが、自分が買ったくせに、私に読むようにと迫るので、不審に思いながらも、仕方なく5歳の長男に読み聞かせを始めた。
内容は、家でも学校でも怒られてばかりの小学一年生のお兄ちゃんの心の声を描写していきます。
主人公のお兄ちゃんは自分なりに頑張っているのに、大人からみたらふざけて見えてたり、乱暴に見えたり。 宿題ができなかった理由や、妹を泣かせた理由があるのに、うまく言葉で表現できないので、いつも怒られてばかり。本当は褒められたいのに。お兄ちゃんは七夕の短冊に願いを書きます、「おこだでませんように」と。
子供の思いに気付かない大人たちへのジレンマ
子供がいる人や、特に自分が長男や長女だった人には心に染み入るものがあるかと思います。ネタバレになるのもあれなのですが、子供の思いに気づかない大人たちへのジレンマが、読んでいる大人の胸を打ちます。
いつだって子供には子供なりに、理由があって行動をしているのに、それをただただ怒るばかりで、大人はいつも見落としているのかもしれませんね。 そして、絵本を読み終わって、ふと横をみると、0歳の次男を抱きながら嗚咽を漏らす嫁の姿が。
嫁は、自分が泣いて読めなくなる事が分かっていたので、私に読ませたようで、鼻をすすりながら「うちの子もこんな風に思うようになるんかな」と呟いていたました。 たぶん、子供によりも、大人にこそ響く絵本だと思います。
5歳の長男には、まだ早すぎる内容のようで、今一つピンときてないようでしたけど。
子供はいつだって褒められたい
二人の息子を持つ親として読み終えてみると、実話がベースになっているので、自分が子供だった頃の映像と重なるように、するりと心に沁みこんでくるオハナシでした。
我が家にも3月に次男坊が生まれて、突然お兄ちゃんになった5歳の息子。 「お兄ちゃんなんやから、ちゃんとしなさい!」「もうすぐ小学生になるんやから!」と言われる事も増えてくるでしょう。どんなに怒られても一瞬で忘れているように見えるのですが、実は、息子なりに我慢しているのかもしれません。
今は無くても、これからさせるかもしれません。 その時に、ふとこの話を思い出して、怒る前に長男の想いや言い分を、ちゃんと聞いてあげたいと思いました。
だって、どんな子供でも怒られたいわけなんて無くて、いつだって褒められたいものですから。
いつもいつも心の中では、こう思っているかもしれません。
”ほんまは、ぼく、「ええこやねえ」って いわれたいんや”